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保険外の白い詰め物やかぶせ物ってどうなのよ

保険外の白い詰め物やかぶせ物ってどうなの?
セラミックでできた白い詰め物やかぶせ物を勧められたことはありませんか?
写真を見せられると自分の歯のように白くて綺麗でとても魅力的に見えます。
しかし、次にお話しするような欠点があります。

実は材質が硬すぎるのです。
おおよそ歯科領域の材質の硬さの順番は硬い方から順に、セラミック、エナメル質、象牙質、コンボジットレジン(光を当てて固まるプラスチック)、ゴールド(純金)、セメント、MMAレジン(入れ歯に使うプラスチック)です。
一見、硬い方が良い方に思われますが、実は人間の歯は生理的に少しずつ磨り減っているのです。セラミックは人間の歯よりすり減りにくいため、長期間使うと他の歯より高くなってしまうのです。このことが原因で、ざまざまなトラブルを起こします。
トラブルの一番はセラミックの破折です。セラミックはすり減りにくいですが、一方で、衝撃に弱いのです。つまり、噛み合わせの高さが高くなると、噛み合わせした時の衝撃で割れてしまうのです。お茶碗を考えてみてください。床に落とせば簡単に割れてしまいますよね。おおよそですが、装着後2年を越える辺りから急増してきます。もちろん壊れる原因は接着剤の劣化などまだあります。
次に起こるトラブルが悲惨で歯根(歯の根)の破折です。これもセラミックがすり減りにくいために、他の歯が少し低くなっていくのに対して、セラミックだけが取り残され、結果的に高くなったため、土台の歯に負担がかかり、歯根の破折が起こります。経験上8年から10年経過後に起き始めます。残念ながらほとんどが抜歯になります。
高い料金を出して、最高と信じていたものが、とんでもないことになることがあります。

もし、あなたが少し高いお金を出してもいいから、自費で最高の治療を受けたいということなら、奥歯2本はゴールドにしてください。すり減り方がエナメル質よりやや早く歯に優しいです。
小臼歯と呼ばれる奥から3番目4番目は、大臼歯より力がかかりにくい上、人から見える部分ですので、セラミックでもなんとか大丈夫でしょう。
そして、前歯は犬歯を除きセラミックが綺麗でいいと思います。ただし、一年に一回以上は噛み合わせのチェックを受けて調整をしてもらってください。

金属をお口の中に入れた場合、よく金属アレルギーの問題が出てきます。しかし、金属アレルギーの患者様は極めて少ないです。金属アレルギーでない方が心配する必要はありません。因みにセラミックの接着に使うレジンセメントだってアレルギーが出る可能性があります。なぜかこちらは全く話題になりません。セラミックに対して金属アレルギーの話を持ち出すのは、利益率が高いセラミック治療を進める歯科医の殺し文句に過ぎません。

このところ私の医院に他院で行った、セラミックの破折の患者さまが急増しています。セラミックは確かに見た目は美しい上、変色もしないし、汚れもつきにくいです。しかし、前述した「硬すぎる」といった致命的な欠点があります。
いつも言うことですが、治療を受ける前に必ずデメリットも聞いてから治療を受けるようにしてください。

※この記事は、院長の独り言です。奥歯のセラミック治療を完全に否定しているわけではありません。

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